築年数が古い家は、現代の家と比べて電気配線や電化製品の老朽化が進んでいるため、漏電火災のリスクが高いと言われています。古い家の場合は、特に電気配線、電化製品、水回りの3箇所に注意が必要です。この記事では、古い家で起こりやすい漏電火災の原因や危険な場所、具体的な対策方法、火災保険の見直しについて解説していきます。古い家に住んでいる方はもちろん、これから古い家を購入しようと考えている方も、ぜひ参考にしてください。
古い家の電気配線~火災のリスク要因
古い家の電気配線は、経年劣化や過去の改修によって、さまざまなリスクを抱えています。火災のリスクを高めないためにも、電気配線の状態をしっかりと把握しておくことが重要です。
経年劣化による配線の老朽化
電気配線は、長年使用していると絶縁体が劣化し、電気が漏れてしまう可能性があります。特に、古い家では、配線が露出している部分や、湿気の影響を受けやすい場所などに、劣化が見られる場合があります。絶縁体が劣化すると、電線同士が接触してショートしたり、電気が漏れて感電や火災の原因になったりします。
過去の改修や増築による配線への影響
古い家は、過去に改修や増築が行われた場合、配線が適切に施工されていないことがあります。例えば、配線が途中で切断されていたり、接続が緩んでいたりすると、漏電やショートが発生するリスクが高まります。また、増築時に新しい配線を古い配線と接続する際、接続方法が適切でないと、電流が集中して発熱し、火災の原因となることもあります。
適切なメンテナンス不足による配線の劣化
古い家は、適切なメンテナンスが行われていない場合、配線が劣化しやすくなります。配線は、定期的に点検を行い、必要に応じて修理や交換を行うことで、安全性を維持することができます。しかし、古い家では、メンテナンスが行き届いていないことが多く、配線が劣化しているにも関わらず、放置されているケースも少なくありません。配線の劣化は、漏電やショートだけでなく、火災のリスクも高めてしまうため、定期的な点検が非常に重要です。
配線容量を超えた電気使用による負担
古い家は、現在の住宅と比べて、配線容量が小さい場合があります。現代では、家電製品の性能が向上し、消費電力が大きくなっています。そのため、古い家の配線容量を超えて電気を使用すると、配線が過熱し、漏電や火災のリスクが高まります。特に、エアコンや電気温水器など、消費電力の大きい家電製品を使用する場合は、配線容量に注意が必要です。
湿気や水回りによる配線への影響
古い家は、湿気や水回りの影響を受けやすく、配線が劣化しやすいと言われています。浴室やキッチンなど、水回りの近くにある配線は、湿気によって絶縁体が劣化し、漏電が発生するリスクが高まります。また、配管の老朽化によって、水漏れが発生し、配線が濡れてしまうこともあります。水回りの近くにある配線は、定期的に点検を行い、必要に応じて修理や交換を行うようにしましょう。
電化製品の危険性~火災リスクの高いもの
古い家の電化製品は、経年劣化や故障によって、火災のリスクが高まります。特に、コードやプラグの劣化、電化製品の故障、古いタイプの電気ストーブやヒーター、長時間使用による発熱、タコ足配線などは、注意が必要です。
コードやプラグの劣化・破損
コードやプラグは、長年使用していると、絶縁体が劣化したり、破損したりすることがあります。コードが断線したり、プラグの差し込み口が緩んだりすると、発熱や漏電が発生し、火災の原因となる可能性があります。特に、コードを無理やり曲げたり、引っ張ったりすると、内部の配線が断線しやすいため、注意が必要です。コードやプラグが劣化している場合は、交換するようにしましょう。
電化製品の故障
電化製品は、経年劣化によって、故障する可能性があります。故障した電化製品は、発熱したり、漏電したりする可能性があるため、使用を中止し、修理または廃棄するようにしましょう。特に、電気ストーブやヒーターなどの発熱する電化製品は、故障すると火災のリスクが高まるため、注意が必要です。
古いタイプの電気ストーブやヒーター
古いタイプの電気ストーブやヒーターは、安全基準が現在の製品よりも低い場合があるため、火災のリスクが高まります。特に、ヒーター部分のカバーが破損している場合は、発熱した部分が露出して、火災の原因となる可能性があります。古いタイプの電気ストーブやヒーターは、安全性を確認し、必要に応じて交換するようにしましょう。
長時間使用による発熱
電化製品は、長時間使用すると、発熱します。特に、電気ストーブやヒーターなどの発熱する電化製品は、長時間使用すると、周囲の温度が上昇し、火災の原因となる可能性があります。長時間使用する場合、こまめに休憩を入れ、周囲の温度が上がりすぎないように注意しましょう。
タコ足配線
タコ足配線は、複数の電化製品を一つのコンセントに接続する方法です。タコ足配線は、コンセントの容量を超えて電流が流れるため、発熱や漏電が発生し、火災のリスクが高まります。タコ足配線は、できるだけ避けるようにしましょう。コンセントが足りない場合は、増設工事を検討してください。
水回りにおける漏電~注意すべきポイント
水回りは、電気と水という危険な組み合わせが存在するため、漏電のリスクが高い場所です。浴室、キッチン、洗面所など、水回りの近くにある電気配線や電化製品は、特に注意が必要です。
浴室やキッチンでの水濡れ
浴室やキッチンでは、水しぶきがかかったり、水がこぼれたりする可能性があります。電気配線や電化製品が水に濡れると、漏電が発生するリスクが高まります。浴室やキッチンでは、電気配線や電化製品が水に濡れないよう、注意が必要です。特に、浴室では、ドライヤーやシェーバーなどの電化製品を使用する際は、水に濡れないよう十分に注意してください。
配管の老朽化による漏水
古い家は、配管の老朽化によって、水漏れが発生しやすいです。水漏れが発生すると、電気配線が濡れてしまい、漏電が発生するリスクが高まります。水漏れは、早期に発見し、修理を行うようにしましょう。
湿気による配線への影響
水回りは、湿気がこもりやすい場所です。湿気は、電気配線の絶縁体を劣化させ、漏電の原因となるため、注意が必要です。浴室やキッチンなどの水回りの近くにある電気配線は、定期的に点検し、必要に応じて乾燥剤を設置するなど、湿気を対策しましょう。
換気不足
水回りの換気が悪いと、湿気がこもりやすくなります。湿気は、電気配線の絶縁体を劣化させ、漏電の原因となるため、注意が必要です。浴室やキッチンなどの水回りは、こまめに換気を行い、湿気を対策しましょう。
電気製品の使用時の注意点
水回りの電気製品を使用する際は、以下の点に注意しましょう。・電気製品は、水に濡れない場所に置く。・電気製品を使用する際は、濡れた手で触れない。・電気製品を使用後は、必ず電源を切る。・電気製品のコードは、劣化していないか、定期的にチェックする。
漏電火災を防ぐための具体的な対策方法
漏電火災を防ぐためには、定期的な電気設備の点検や、漏電遮断器の設置・確認など、さまざまな対策が必要です。
定期的な電気設備の点検
電気設備は、定期的に点検を行うことで、安全性を維持することができます。電気設備の点検は、専門の業者に依頼することをおすすめします。専門の業者は、配線の状態や電化製品の安全性をチェックし、必要に応じて修理や交換を行ってくれます。古い家は、特に定期的な点検が重要です。少なくとも、1年に1回は点検を行うようにしましょう。
漏電遮断器の設置・確認
漏電遮断器は、漏電が発生した場合に、自動的に電気を遮断する装置です。漏電遮断器が設置されていない場合は、できるだけ早く設置しましょう。また、設置されている場合は、定期的に動作確認を行うようにしましょう。漏電遮断器の動作確認は、自分で行うことができます。漏電遮断器のテストボタンを押して、遮断器が正常に動作するかを確認しましょう。漏電遮断器が正常に動作しない場合は、専門の業者に修理を依頼してください。
アース線の設置・確認
アース線は、漏電が発生した場合に、電気を逃がすための線です。アース線が設置されていない場合は、できるだけ早く設置しましょう。また、設置されている場合は、定期的に接続状態を確認し、緩んでいないか、破損していないかなどをチェックするようにしましょう。アース線は、電化製品の金属部分と、地面を繋ぐことで、漏電電流を地面に逃がし、感電や火災のリスクを低減します。古い家では、アース線が設置されていない場合や、接続が不適切な場合があります。アース線の設置や接続状態の確認は、専門の業者に依頼することをおすすめします。
コード類の劣化・破損チェック
電気コードやプラグは、経年劣化によって、断線したり、破損したりすることがあります。コードが断線したり、プラグの差し込み口が緩んだりすると、発熱や漏電が発生し、火災の原因となる可能性があります。コード類は、定期的にチェックし、劣化や破損が見られる場合は、交換するようにしましょう。特に、頻繁に抜き差しするコードや、曲がったり、ねじれたりしているコードは、劣化が進んでおり、危険な状態です。これらのコードは、交換するようにしましょう。
電化製品の安全な使用
電化製品は、安全な使い方をすることが重要です。特に、電気ストーブやヒーターなどの発熱する電化製品は、火災のリスクが高まるため、注意が必要です。・電化製品を使用する際は、周囲に燃えやすいものを置かない。・電化製品は、定格電圧で使用し、長時間使用しない。・電化製品は、定期的に清掃し、コードやプラグの劣化をチェックする。・故障した電化製品は、使用を中止し、修理または廃棄する。
漏電火災に備えるための火災保険の見直し
古い家は、漏電火災のリスクが高いため、火災保険の見直しも重要です。火災保険は、火災だけでなく、漏電による火災も補償の対象となる場合が多いです。しかし、保険会社や契約内容によって、補償範囲や保険金額が異なります。そのため、自分の家の状況に合わせて、適切な火災保険を見直す必要があります。
漏電による火災の補償範囲
火災保険は、火災だけでなく、漏電による火災も補償の対象となる場合が多いです。しかし、保険会社や契約内容によって、補償範囲が異なるため、事前に確認しておくことが重要です。例えば、一部の保険会社では、漏電による火災が、電気配線の老朽化や、電化製品の故障など、特定の原因によるものに限って補償される場合もあります。また、保険金額も、契約内容によって異なります。火災保険の見直しを行う際は、自分の家の状況に合わせて、適切な補償範囲と保険金額を設定するようにしましょう。
電気的・機械的事故担保特約の確認
電気的・機械的事故担保特約は、漏電による火災だけでなく、電気設備や機械設備の故障も補償する特約です。古い家は、電気設備や機械設備が老朽化している場合が多いため、この特約に加入しておくことをおすすめします。電気的・機械的事故担保特約は、火災保険に最初から付加されていることも多いですが、必ずしも付加されているとは限りません。火災保険の見直しを行う際は、この特約が加入されているかを確認し、必要に応じて加入するようにしましょう。
補償金額の見直し
火災保険の補償金額は、建物の構造や規模、家財の価値などを考慮して、適切な金額を設定する必要があります。古い家は、建物の構造や規模、家財の価値などが、現在の住宅と比べて低い場合が多いです。そのため、現在の火災保険の補償金額が、適切かどうかを見直す必要がある場合があります。特に、古い家は、火災によって大きな損害が発生するリスクが高いと言われています。そのため、現在の補償金額が、火災による損害をカバーできる金額かどうか、見直す必要があります。
免責事項の確認
火災保険には、免責事項と呼ばれる、保険金が支払われない場合があります。免責事項は、保険会社や契約内容によって異なります。火災保険の見直しを行う際は、免責事項をしっかりと確認し、自分の家の状況に合った保険を選ぶようにしましょう。例えば、地震による火災は、地震保険で補償されるため、火災保険では免責となる場合もあります。また、故意に火災を起こした場合や、保険金詐欺など、不正な目的で保険金を請求した場合も、免責となります。
保険会社の選び方
火災保険の選び方は、以下のポイントを参考にしましょう。・補償範囲が広いこと。・保険金額が適切であること。・免責事項が少ないこと。・保険料が安いこと。・保険会社が信頼できること。これらのポイントを参考に、複数の保険会社を比較検討し、自分の家の状況に合った火災保険を選びましょう。
まとめ
古い家は、電気配線、電化製品、水回りの3箇所に注意が必要です。漏電火災を防ぐためには、定期的な電気設備の点検や、漏電遮断器の設置・確認など、さまざまな対策が必要です。また、火災保険の見直しも重要です。古い家は、火災によって大きな損害が発生するリスクが高いと言われています。そのため、火災保険の補償範囲、保険金額、免責事項などをしっかりと確認し、自分の家の状況に合った火災保険に加入するようにしましょう。